中古戸建てを売却しようとしている方は、どのような方法で売っていけばいいのかわからなくて不安、と思っていることもあるでしょう。
ここでは、査定で用いられる原価法について解説していきますので、原価法について知り、売却をスムーズにする手助けができればと思います。
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まずは原価法とはどのようなものかを解説していきます。
原価法
原価法とは、物件を取り壊して、同じ物件を再度建築したときの原価を計算し、その価格から経年劣化分などを差し引いて査定価格を導き出す方法です。
たとえば再度建築した建物の原価が3,000万円で、老朽化している部分が1,000万円程度あれば、それを差し引き、2,000万円で売れるという推定をすることになります。
ほかにも、周辺の物件が売買されたときの価格を参考にする取引事例比較法などが査定に用いられます。
収益還元法
収益を得るための不動産を査定するときには、収益還元法という方法が使われます。
利回りから計算する方法になりますが、あくまで収益不動産用の方法なので、今回は原価法だけ知っておけば問題ないでしょう。
あくまでも査定
原価法である程度価格を類推することはできますが、これはあくまで査定価格であって、実際に売ったときの金額を保証するものではありません。
実際に売るときには劣化具合や建物の規模、修繕した場合は修繕履歴なども査定に影響を与えます。
これらは規模修正率やメンテナンス補正率と言われます。
法定耐用年数
これは、法的にその建物が居住するのに耐えられる年数のことを言います。
およそ40年や50年など、幅広く耐用年数が定められています。
この法定耐用年数も査定価格に影響をおよぼしますが、自身の物件が耐用年数を過ぎていたとしても、それで価値が0になるわけではないので安心してください。
修繕履歴やリフォームをした回数によって、実際に住める期間は異なってくるでしょう。
メンテナンスは定期的に
査定価格に大きな影響をおよぼすため、建物のメンテナンスは定期的におこなっておきましょう。
一度も修繕やリフォームをおこなわず40年や50年住んでしまうと、人が住めないほど老朽化してしまう可能性もあり、資産価値もかなり下がるかもしれません。
10年に一度など、自身のなかでメンテナンスをおこなう頻度を決めておき、建物の資産価値を維持しておくことが大切です。
建物の査定における原価法とは?「再調達価額」について
次に、再調達価額とはどのようなものか解説します。
再調達価額とは
再調達価額は、同じ物件をもう一度建築したときに必要な費用のことをいいます。
当時の材料の価格と、現在の材料の価格、また経済状況も変わるので、当時とは価格が変わる可能性が高いです。
ただ、再調達価額が高くなると、その分物件の資産価値が上がる可能性があるというメリットがあります。
建物構造に左右される
再調達価額は、建物の構造によっても左右されます。
たとえば木造や鉄筋コンクリート造であれば、当然材料費も変わってきますので、価格も変わってきます。
それぞれの価格に関しては国税庁のホームページで確認できるので、時間があるときに確認しておくと良いでしょう。
直接法と間接法
再調達価額は、直接法と間接法というふたつの方法で求められます。
直接法とは、建物の鑑定をおこなう不動産会社に直接求める方法です。
使用する材料の種別、量、必要な作業時間などを加味して価格を決めていくことになります。
直接法は、建物の設計図書や請負契約書があるときに利用できる方法です。
一方、間接法は書類がないときに利用する方法になります。
鑑定する不動産ではなく類似した不動産を利用して、不動産会社に価格を出してもらう形になっています。
一般的には直接法で価格を導き出すことが多いですが、より正確に価格を求めるために、両方の方法で導き出すこともあります。
再調達価額の計算
例として、30坪の建物の再調達価額を求めたいときの計算方法をご紹介していきます。
基準単価はそれぞれ、木造で15万円/m²、鉄骨造で18万円/m²、鉄筋コンクリート造で20万円/m²となっています。
30坪はおよそ99m²なので、それぞれ計算していきます。
木造は15万×99m²=1,485万となるので、1,485万円が再調達価額です。
鉄骨造は18万×99m²=1,782万となり、1,782万円が再調達価額になります。
鉄筋コンクリート造の場合20万×99m²となるので、1,980万円と導き出すことができます。
それぞれの価格と自身の建物の坪を把握しておけば再調達価額が計算できるようになるので、調べてみると良いかもしれません。
建物の査定における原価法とは?「減価修正について
最後に、減価修正についての説明をしていきます。
減価修正
物質は長い時間が経てばだんだんと劣化していくのが世の常です。
建物も類に漏れず、時間が経てば経年劣化が起き、ボロボロになっていきます。
減価修正とは、そのように築年数に応じた劣化を想定して下落価格を算出することを言います。
建物が建築されてから時間が経てば経つほど、この下落価格も大きくなっていきます。
耐用年数の関係
一般的には、物件の価値は20年から25年も経過すると0になると算出する場合が多いです。
しかし、かならずしも0になるというわけではなく、その他の補正率なども加味したうえで価格を決定するので、ある程度の価格になる可能性が残っています。
原価法で査定をするときは補正率を計算に入れないため、一見低い価格を提示されることが多いですが、実際の査定や売却活動のときにはメンテナンス補正や規模修正率といった補正がかかります。
減価償却
似たような言葉に、減価償却というものがありますが、これと減価修正は異なるものです。
減価償却は税金の計算のためなどに用いられることがありますが、減価修正はそういった用途で使用されることはなく計算方法も違います。
間違えないように注意しましょう。
計算方法
たとえば、耐用年数が22年、築年数が10年、総面積が100㎡、基準単価が15万円/m²の不動産だとすると、まずは以下の計算をします。
15万円×100㎡=1,500万円
こちらが再調達価額になります。
そこから、減価修正を、残耐用年数(耐用年数−築年数)÷耐用年数で計算します。
(22-10)÷22=0.5
最後に、1,500万円×0.5=750万円で、物件の価値は750万円ということがわかります。
再調達価額と築年数、そして耐用年数がわかれば物件の価格がおおよそ把握できます。
あくまでも査定価格なので、参考程度ではありますが、事前に把握できれば今後の対応が変わったり、そのお金をもとに次の行動が決めやすくなるかと思いますので、計算方法は頭の片隅にとどめておきましょう。
その他の要因
もちろん、物件の状態だけでなく、土地の状況や立地、形状でも価格は変わってきます。
どのような土地に建てられていて、土地はどこにあるのかも把握しておくと、さらに正確に査定額が割り出せる可能性があります。
土地についてもある程度知識を入れておくと便利でしょう。
まとめ
建物の査定にはさまざまな方法がありますが、共通して言えるのは、あくまでも査定金額を導き出す方法であるということです。
実際の価格は売却時の交渉などによっても変わってくるので、だいたいこれだけの価値がある、という交渉材料などに利用しておくのが良いと思います。
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